マイコンDIY: 10月 2016

LEDの色判別

 ソーラーパネルチャージコントローラーには三つのLEDのインジケーターランプが備わっている。ソーラーパネルの状態、バッテリーの状態、12Vの出力端子の状態の三つだが、ちなみにこのうち最後の12V出力端子は使わない予定だ。そこにはランプの絵柄があるように、ランプ程度くらいの電力しかサポートされていないようだからだ。簡単な説明書には負荷にDC-ACの100Vのインバーターなどを接続する場合にはバッテリー端子に直接接続するようにと書いてある。
 バッテリーの状態を表すインジケーターでは、バッテリーが過放電の状態(カタログ値では11V以下となっているが実測では10.7V)になると赤色に点灯し、12V端子の出力の方も自動的に遮断されるようになっており便利な端子ではあるのだけど。
 バッテリーの状態インジケーターは他に12V以下(実測では11.7V)になると黄色に点灯、それ以上の電圧では緑色に、また満充電では緑色の点滅状態になる。
 三つのバッテリーを切り替えて充電する場合はこのバッテリー状態のインジケーター情報は是非とも参考にしたいので、どうやってこのインジケーター情報を取り込むかいろいろ考えた。ネットでもいろいろ検索したが、こんなことをやる輩はあまりいないようで、ほとんど情報がない。プロが使うような、LEDの点灯を専用に判別するような機器もあったが10万円近くもする。結局デジタルカラーセンサーで取り込むことにした。使用するのはI2CインターフェースのS11059で、値段は五百円。しかし、使ってみると中々具合がいい。
 ソーラーパネルのインジケーターはソーラーパネルの出力があれば緑色で点灯し、規格以上の高電圧が出力されると緑色の点滅に変わる。こっちもマイコンに取り込むにはカラーセンサーをもう一つ増やすか、バッテリーのインジケーター用のカラーセンサーをサーボモーターなどで移動させるかしなければならない。サーボによる移動を少し考えているけれど、ソーラーパネルの出力の方は、PIC24Fのリアルタイムクロックで時刻による日照時間の管理で制御も可能なので、どうなるかは分からない。

 ところでこのソーラーパネルチャージコントローラーは本体の電源をどうやってとっているのかよく分からず、ソーラーパネルの方の電源だけでは誤作動を起こす。普通に出力が出ているソーラーパネルを繋ぎ、その状態でバッテリーからの接続を断つと、インジケーターの表示がおかしくなり、バッテリーを再び接続しても正常には戻らない。一度ソーラーパネルからの接続とバッテリーからの接続を両方とも外し、再びまずバッテリーの方から先に接続をし直す、という手順をふまないと正常にはならない。
 動画で右の方にある別基板のリレーはその「バッテリーを切り替えるには、一度ソーラーパネルの接続を断つ」という手順をふむために予定外で必要になったもの。余談だが、このリレー基板はAmazonで155円で購入。リレー端子の容量はAC100V、DC30Vともに10A、またフォトカプラ入力、その入力とリレーのコイル駆動電源は別に設定できるという機能までついている。
 このリレーの耐久性などはもとより未知数だが、テストで使用しているプッシュスイッチでの電圧調整、入力と出力の電圧表示、出力のオンオフなどが可能な優れもののDCーDCコンバータはともに中国製で、最近の中国のものは侮れなくなっているように思う。もっとも、そのコンバータの下側にあるその後に購入した可変抵抗で出力電圧を調整するタイプのものは、値段が安いものの表示される出力電圧の値も誤差があり良いものと言えない。










断線

 バッテリーの電圧をオペアンプで受けることによって電源オフ時の電圧の回り込みをなくしたことで
 LCDは無事パワーオンリセットが行われ、めでたしめでたしのはず、だった。が、しかし・・・電源を入れてもLCDはうんともすんとも言わない。無論LCDはしゃべるわけではないので、そうなんだけれども・・・。
 しばし呆然とした後、気を取り直してふと裏を見ると、断線・・・だった。

     わかりづらいが配線が2本完全に断線している。

 PIC24FのプログラミングはPICkit2を基板上の専用端子に挿して電源が入った状態で、時には繰り返し行う。LCDには電源が入った状態でマニュアルでリセットを行なえる端子もあるのだが、ほぼ使わないものなのでVCCに直結し使用不可にしてある。それで、PIC24Fのプログラミングのおりには、電源が入った状態でプログラムコードのロード後PIC24Fの方だけが初期リセットされ、LCDの方はリセットされず、それ故かLCDは時に固まったままのことがある。それで、電源投入でLCDが反応しないのはリセット関連だと考えて、テスターで電源ラインを測ると案の定バッテリーの電圧が回り込む込んでいたため、それが原因だと即断してしまった。

 LCDにテープで貼り付けてあるのは置き台代わりのコードクリップの金具。この基板はRS485のインタフェースを設けてあり、デバッグ後はこのRS485インタフェースを介して遠隔で情報のやり取りをすることになるので、このLCDはのちに不要になる可能性もある主にデバッグ確認用の仮設ディスプレイなのだ。


 ともあれ、電圧が回り込むのは気持ち悪いものだし、オペアンプを間に入れることによって、入力側に何かあった際の緩衝地帯にもなり、それなりの意味はあった、と思うことにして今回は終わることにする。




 

バッテリー


以前「まわしてチャージ充電丸」というバッテリー内蔵(12V/7.2Ah)のコンパクトで機能豊富な"足回し"発電機を持っていた。DCジャック用の3/4.5/5/6/9/12V端子、5VのUSB-A端子、100WのAC100Vコンセント、さらに二段切替の白色LEDライトなど緊急用の電源と灯りとしては優れものだった。ところが或る日突然その「まわしてチャージ充電丸」が充電がされなくなってしまった。愚かな吾輩は原因はバッテリーだろうと考えて、代替可能と思えるバッテリーを買って取替えたのだがだめだった。それやこれやで数個のバッテリーがたまったのだが、一番大きな12V/26hのバッテリーはソーラーパネルで使うために購入したもの。




 また手術台に上がる基板。


     before

     after


 電源オフの時に入力端子から電流が回り込む場合、大抵はその入力端子をプルダウンすればいいそうなのだが、今回の場合はデジタル値の入力ではなく、アナログ値をAD変換するものなのでできない。仕方がないので、オペアンプICを追加し、ボルテージフォロアにしてそれを介して入力することにした。
 このオペアンプを追加した場所はIO端子が不足した時にIOエクスパンダのMCP23008を追加してIOの数を補おうと思っていた所。まだ多少の空きが残っているので大丈夫かもしれないが。

     before

 オペアンプICを取り付ける前に、そのソケットのICの入力と出力を短絡しこれまでと同じ状況を作り出す。右側の12.6Vと表示されているDC-DCコンバータから抵抗分圧によって約2V少々の電圧がそこにはかかっていて、マイコンのAD変換端子に繋がっている。マイコンの3.3Vの電源ラインは電源が入っていないのに0.5Vの電圧が生じている。

     after

 今度はソケットにオペアンプのNJM2902Nを取り付けて電源が入っていないマイコンの3.3Vラインを計測。電圧が生じていないことがわかる。

 上のDC-DCコンバータは疑似バッテリーで、バッテリーの様々な電圧状況を作り出すために仮設している。バッテリーの電圧を任意のものにするには大変なので…。それでマイコンにその状況に応じた処理をさせるプログラムを組む。バッテリーは三つなので実際にはDC-DCコンバータはもう一つ必要。


 先に”真の情報”と書いたが、C言語などのプログラムにはIF文などの条件分岐命令で「真」(TRUE)と「偽」(FALSE)というものがあり、それによってその後の処理を変える。
 報道というのは、たとえば霞が関の役所が何か発表した時に、それが真か偽か(本当なのか、あるいは正しいのか、何か裏はないのか、など)を見定める、少なくともその確認の作業をするものである。その作業がテクニカル的に難しいか否かは別にして、theory and practice はとてもシンプルなものである。記者にその物事を判断する力量がないのならば、その分野の専門家か長年その問題に携わっている人に意見を求める、もし意見が分かれるようなら両者の意見を載せる、それで読者、あるいは視聴者がおこなう判断の材料を提供する。…
 もっとも、どうでもいいことをとやかく取り上げても仕方がないので、その物事が人々にとって重要なものかどうかを見分ける力はある程度必要だ。
 現在の記者クラブ制度は、上記のその問題になる事柄に詳しいフリーのジャーナリストや市民運動家などを締め出すもので、もともと問題になるものを解決しようという気などないことがわかる。
 新聞社OBの一人は新聞の記事の70%が「官報」であると言っている。役所が出したものをそのまま載せているだけだ、と。こういうのは報道とは言わないだろう。
 最近の報道を考えると、多くの場合、読者、視聴者が新聞、テレビの言っていることを「真なのか?偽なのか」と、その報道主体自体を疑っているふうにも思える。
 (続く)





 

ソーラーパネル

 吾輩は猫ではない。名前もある。
 開始早々に夏目漱石の『吾輩は猫である』をもじった書き出しになってしまったのは、地震のことなどを考えると人というのはつくづく怪体(ケッタイ)なものだと思わざるをえないからだ。吾輩ーー成り行き上、こう自称するが、世の中にはこれくらいの不都合事はいくらでもあるーーは東南海地震が近い内に起こると言われている名古屋に住んでいるが、現在名古屋駅周辺では高層ビル建設のラッシュである。何故だ?と思わないだろうか。首都直下地震がこれも遠くない未来に起こると言われている東京でも似たようなものである。それを報じる大手テレビ局がそもそも高層の自社ビルを建て替えているし、NHKなどもつい先達って、余ったお金の3400億円で社屋を建て直すとぶち上げて、顰蹙を買った。
 ケッタイではないだろうか?
 ところが、吾輩は二十年以上も前に東海道線の列車の車窓から新築される民家の列などを眺めて、やはりケッタイだと物思いにふけっていた。
 とすると、巨大地震は起こると言われながら、本当はずっと暫くは起きないということをそれらの人々は知っていたのだろうか?また今も彼らはそれをわかっていて空を仰ぐようなビルを建てているのだろうか?
 それならそれでやはりケッタイである。
 ともあれ、真の情報など貰う場所も知らず、さりとて、家を何軒でも建て直せる財力ももとよりなく、また小心で愚かな吾輩は、巨大地震が来た時に少しでも役立たせようと、ソーラー発電器を自作することを思い立って、現在製作中である。



 猫が引っ掻き回した線材を無造作に束ねただけのようにしか見えない基板は、ソーラーパネルに繋ぐバッテリーをコントロールするためのものである。実はバッテリーが一つだけなら右かたに見えるソーラー用のバッテリーチャージャー以外不用なのだ。しかし、バッテリーがたまたま三つあったので、ついでに三つとも充電できるようにしようと何となく思ったのがいけなかった。
 今もまだ試行錯誤の途上にあり、今現在問題になっている案件は、基板のマイコン部分などに電源が入っていない時に、バッテリーの電圧監視のために繋いでいるADC端子を通してバッテリーの電力が回り込み、電源を入れた時にLCDが初期リセットされず何も表示されなくなるという症状である。ちなみに、LCDはI2C接続のもので、マイコンはPIC24FJ64GA002だ。
 (続く)