マイコンDIY: 2月 2017

ソーラーパネル・結果

 どうも思わしくないので今更ながらではあるけどソーラーパネルについてちょっと調べてみた。結論からいうと、常時陰の出来るようなベランダなどでのソーラーパネルによる発電システムはちょっと無理っぽいということ。

「雨や雲の度合い」や「パネルの性能」によっても異なりますが、発電量は、快晴の日の5%~10%程度まで低下するといわれています。
http://thaio.net/tenkou/rainy.html

 これは“太陽光発電で本当に採算合うか・設置前に必ずお読み下さい。|太陽光発電アドバイザー公式情報サイト“(http://thaio.net/)というサイトにある一節。このサイトはトップページの冒頭で「何千人もの人が太陽光発電で失敗するのを防いだ、太陽光発電の総合情報サイトへようこそ」と書いているけど、吾輩の場合残念ながらその何千人のな中には入れなかったようである。
 
 陽の陰による影響は「雨や雲の度合い」とはまた別の問題になり、ソーラーパネルの構造に起因する変数で、しかも発電システムとしては結構致命的なものにもなる。
 もう一度上のサイトから引用すると…。

 陰が及ぼす影響の原因(http://thaio.net/tenkou/kage.html

 太陽光パネル(太陽電池モジュール)は、基本構成素子である太陽電池セルがインターコネクタを介して直列に接続され(セルストリング)、さらにこれを並列に接続(セルアレイ)後密封し、外枠にはめ込むことにより作られます。

パネルに太陽光が照射されると各セルで電流が発生し、発生した電流がセルストリングでの隣接セルを通じて伝達されることで最終的に必要な電圧の電流が得られます。

 しかし、ここで陰により一部のセルで発電できないと、その日陰部分のセルが抵抗になり、セルストリング中の他のセル分も含めて電流が流れなくなってしまいます。

 現在、市販されている太陽光パネルでは、このような場合に備えて日陰ができた場合は、そのパネルを迂回して電流を伝えるバイパスのしくみが取り入れられていますが、問題のないパネルも含めて迂回されてしまうなど日陰の影響を完全に回避することはできていません。

 このバイパスダイオードを入れず太陽電池セルをつなぎ、陰が出来る日向で発電させると場合によってはパネル自体が「発熱→焼損」ということにもなるようだ。またバイパスダイオードが入っていてもそのバイパスダイオードに多くの電流が流れたりして故障すると、やはり同じことが起きるようだ。こうなっては発電量が低下する、というのとはまた別の事態にもなる。
 
 吾輩のソーラーパネルの場合、日陰による発電量低下の度合いはかなり大きいようで、今の組み合わせだとシステムを維持できないレベルのものと判明。頑強な架台などを設置してソーラーパネルを陰のできない位置にまで上げなければ使い物にならないようだ。

 ちなみに、CIS、CIGSなどの化合物系のソーラーパネルだと日陰による発電効率の低下はちょっと小さいらしい。これから設置を考えている人で、日陰の問題が気になる人はこちらのソーラーパネルを考慮されるのもいいかもしれない。




 

冬日



 午後3時過ぎの状態。

 改めて見てみると流石にちょっときびしい、という感じ。30Wのソーラーパネルだけど、10Wくらいのものになってしまっているのかもしれない。
 

 これはバッテリーセレクトコントローラからの情報で、Sunshine hoursは日照時間、Current timeは現在の時刻。Sunshine hoursは気象庁の一年の日の出、日の入り時刻の表から月毎のだいたいの時刻を決定して取り入れている。この時間以外の時間は、つまり日が当たらず充電ができない時間はA、B、Cと三つあるバッテリーのうち、『充電をする』バッテリーをAバッテリーに固定している。
 Aバッテリーはリレーが全てOFFの状態の時にアクティブ(選択される)になる。ソーラーパネルに日が当たっていず、充電電力が発生していない時は、バッテリーセレクトコントローラの消費する電力が一番少ないこの「Aバッテリー選択」の状態にするしかない。AバッテリーよりもBバッテリー、もしくはCバッテリーのほうが電圧が低かったとしても、日が当たっていなくてソーラーパネルからの充電はできない状態なのだから、リレーを駆動させてBバッテリーやCバッテリーをソーラーパネルのほうに繋いでも意味がないばかりか、選択駆動リレーなどの消費電流で余計な電力を使うだけだから。
 Solar Current Timeはそのバッテリーが今回充電の対象となってからの経過時間。Total Timeはこれまでのそれぞれのバッテリーの充電時間。とはいえ、Sunshine hours以外の時間は上に書いたように、充電は行われていないのだから、それを差し引く必要がある。また、Sunshine hoursの時間内であっても曇天や薄明で、充電電圧が発生していない時間もあるかもしれない。この辺はソーラーパネルの電圧を測ることで判断可能なのだろうけど、今回はそれを行っていない。
 Cバッテリーはバッテリーセレクトコントローラに電力を供給しているバッテリーで、偶然Bバッテリーと充電時間は一緒だが、バッテリーセレクトコントローラで消費している分電圧が低くなっているのだと思われる。
 ちなみに、これらのデータは2日前に電流を計測するため一旦バッテリーセレクトコントローラの電源を落としているので、この2日間だけのデータということになる。
 Solar Queueは充電の待ち行列。本来は電圧値が低いバッテリーから上位になるようになっているが、現在はSunshine hours以外の時間なので電圧が一番高いAバッテリーが一番になっている。Sunshine hoursの時間になれば、自動的に次のCバッテリーが上位になり、充電対象になるようになっている。
 ”Current 12.7V”は現在のAバッテリーの電圧。 [A]*12.7V [B]*12.6V [C]*12.0Vの「*」はAバッテリーが選択された時点でのそれぞれのバッテリーの電圧という意味。”Change 4”は2日で4回充電対象が変わったということ。
 Cバッテリーは充電の途中で日が暮れてしまったということだと思う。

 ともあれ、今の時期だとソーラーパネルの出力がちょっと問題のようだ。




 

反省点多き試作

 調整もだいたい終わり、スマフォやタブレット、パソコンなどからも操作できるようにUSBシリアル変換インターフェースを付け加えて、あとは備え付けるだけの段階にはなったけれど、どうも按配が良くない。
 それは反省点も含めて次の通り。
 
 ●ソーラーパネルの出力がバッテリーの容量に対して不足気味。これはソーラーパネルの定格出力値とともに、パネルをベランダの柵越しに設置しているため、太陽光が鉄柵に当たってできる陰の分、発電効率が下がるという要素も含まれている。けれど、これはそれを避けるために陰ができない柵の上部にパネルを設置すると、台風などの強風の折、リスクが高まることになり、ちょっと譲れない点。
 ●バッテリーの容量に比較して、コントローラの消費電力がちょっと多めという点。充電するバッテリの切替などにパワーMOSではなく電磁リレーを使っていることも大きな一因。とくにバッテリーの出力の切替には消費電力が多い安物の5V駆動リレーを使用していることも大きい。

(バッテリーを切り替える時にあちこちのリレーがばたばた動き、消費電流値のグラフの波形が激しく上下するのは、充電するバッテリーの切り替え時には各バッテリーをそれぞれ電気的に切り離して一つ一つ電圧を計測していること、またバッテリーをソーラーバッテリーチャージャーに新たに接続する際にはソーラーバッテリーチャージャーのソーラーパネル側の接続を一旦切りバッテリーを繋いだ後また接続する━━これを行わないとソーラーバッテリーチャージャーが誤作動する。電源をバッテリー側で取っているためのようだ━━という手続きを行っているため、各リレーが稼働するから)
 
 ●思いのほか、日中有効な太陽光が降り注ぐ時間はそれほど多くない、という点。
 ●以上のことをふまえ、以下の点を改善すれば、結構使えるシステムにはなりそうな予感。
 
 まずソーラーパネルを100W出力くらいのものにする。バッテリーを三つとも12V30Ahくらいのものにする。コントローラのリレーの容量や配線、コネクタなどのスペックには余裕を持たせており、変更することなくそのまま使える。
 費用がちょっとかさむけれど、これくらいの構成だと普段もスマフォやタブレットなどのモバイル機器の充電で使用しながら、地震などの緊急事態時の停電の時に備える(スマフォやタブレットの充電、最低限の照明など)ことができる程度にはなる、と思う。


 『共立エレショップ』の独立型ソーラーシステムのページに自分でソーラー発電システムをつくる際のちょっとした参考になる資料があるので紹介しておく。
 
 ■【共立エレショップ】独立型ソーラーシステムを作ってみよう